地場産業を盛り上げることが神戸の活性化につながる

日本ケミカルシューズ工業組合(神戸市長田区)

靴業界初の地域団体商標となった新ブランド『神戸シューズ』を立ち上げ、履き心地やデザイン、安全性、機能性にこだわった付加価値の高い靴作りを目指している。

日本ケミカルシューズ工業組合
理事長 新井 康夫 氏

HP:http://www.csia.or.jp/

危機を迎えた長田の地場産業を盛り上げるために若手が一致団結

日本ケミカルシューズ工業組合は、前身のケミカルシューズ工業会から数えて昨年で60周年を迎えました。現在の組合員数は95社で、年間生産足数は1,427万足。ピーク時の昭和44年には1億402万足を生産していました。それほど長田の靴は日本中で履かれていたのです。

しかし、生産金額ピーク時の平成2年に865億円あった売上高は、現在368億円にまで減りました。一番の原因は阪神・淡路大震災です。震災の影響で100社余りが倒産・廃業し、海外に工場を移転したところも少なくありませんでした。

さらに、海外から輸入される廉価品に押され、長田の地場産業であるケミカルシューズは危機的な状況に陥りました。空洞化した長田を守るためにどうしたらいいのかと考えましたが、私ひとりでは何もできません。

そこで長田の若手経営者に集まってもらい、阪神・淡路大震災とその後の海外攻勢の影響で地場産業にとって一番試練の時に、これを打破するためにも神戸の靴をブランディングしたいという話をしたところ、メーカー10社ほどが賛同してくれました。こうしてブランド化委員会が立ち上がり、現在の『神戸シューズ』へとつながる流れが生まれたのです。

8年かけてブランド化を成し遂げ、『神戸コレクション』にも出品


『神戸シューズ』をブランド化するにあたり、平成18年にはじまった地域団体商標の登録を目指しました。当時はまだ全国的な認知度が足りないということだったので、知名度を上げるために消費者向けのキャンペーンを全国で行いました。

また、同じ兵庫県で地域団体商標を登録されている鞄の産地・豊岡にも勉強に行かせてもらい、委員会で品質基準やマニュアルも作りました。こうしたさまざまな取り組みが認められ、平成26年に靴業界として初めて地域団体商標に登録されたのです。

その後、『神戸シューズ』のホームページや楽天市場での公式通販サイトを開設し、昨年3月には念願だった常設店を東京・銀座の『マロニエゲート銀座2』に出店しました。また、平成26年からは神戸から最新のファッションを発信する『神戸コレクションA/W』に毎年出品し、『神戸シューズ』を若い女性にも大きくアピールしています。


『神戸シューズ』を広めることで神戸の活性化にも貢献したい


平成29年からは『神戸シューズ』の販売委託という形で神戸市産業振興財団との取り組みがはじまりました。自分たち(組合)で販売ができませんので、販路開拓も含めて財団の力をお借りしています。

また、2〜3ヶ月に一度、当組合の役員と財団の方、神戸市役所のファッション産業課の方によるケミカルシューズ産業活性化連絡会も行っています。こうした機会を持つことで以前よりも財団との距離が近くなりましたし、情報交換も活発になりました。百貨店での販売などについても「地方にこういうところがありますが、どうですか?」といった新しい提案をいただけますし、「こちらの催事は成績が良いですよ」といった情報をいただけるのもありがたいです。

神戸のケミカルシューズは兵庫県の地場産業のひとつでもありますから、財団との取り組みを通じてこれからさらに盛り上げていきたいですね。長田が活性化することによって神戸も元気になると思うので、微力ではありますが、神戸の活性化に貢献できる企業、組合でありたいと思います。



シューズ産業支援 神戸シューズ


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