50代の今だからできる10年後の準備、 目指すのは斬新な事業承継

ハートスフードクリエーツ株式会社(本社:神戸市中央区)

給食(求食)事業/保育園・幼稚園・学校、外食事業/高等学校カフェテリア・健康食レストラン、スイーツ事業(商品開発・製造・販売)

ハートスフードクリエーツ株式会社

代表取締役 西脇 章 さん

2011年設立のハートスフードクリエーツは、求食(給食)・外食・スイーツの3本柱で事業を展開する食の総合プロデュース会社。西脇章社長は起業時から一貫して“手づくりの健康食”にこだわっています。新規事業の立ち上げにも積極的で、最近では日本由来の発酵食である米麹などに着目した商品開発を手掛け、2019年9月に神戸御影でスイーツ店を開業予定。会社の成長を目指しながら、同時に、事業承継に向けた取り組みも始めています。

今のままでは、会社の成長は大きく望めない

西脇社長は、大手ホテルでソムリエとして15年、給食会社で10年間役職に就き様々な実務を経験。子どもからお年寄りまで多くの人々と接する中で食に対する考え方を自ら問い直しました。
「老人介護施設の給食を手掛けていた時、食事を心から楽しむ皆さんを目の当たりにしました。ワクワクして待ち切れずに2時間も前から席につく人もいて、一食の重みと大切さをあらためて実感したんです」。
以来、給食は与えるものではなく一人ひとりの求めに応じて作る“求食”であるべきと意識を変え、起業の道へ。社名のハートスには「ハート(heart)をトスする」という意味を込め、目に見えない作り手の心を料理で形にするという信念のもと、手づくりにこだわった健康食の開発・提供を続けています。

「振り返ると、会社を大きくしようと走り続けた8年でした。営業、経理、総務のすべてを自ら中心にやってきたので、まさに“西脇商店”ですよ(笑)」と自戒気味に話しますが、経営者である以上、そうした走り方は必然のこと。一方で、今のままでは会社の成長は望めないとも感じています。
「まずは従業員のためにセクションを整え、より良い組織を構築しないと事業拡大にもつながりません。さらに次の世代へのバトンタッチも真剣に考えないといけない。そう思い始めた時、起業当初からお付き合いのあった神戸市産業振興財団の方と話す機会があり、事業承継の相談に乗ってくださるプロがいることを知ったんです」。

事業承継のロードマップ作りは、早ければ早いほどいい

神戸市産業振興財団が運営する『100年経営支援事業』の強みは、“あとつぎ”に関するあらゆることを助言してくれる専門家チームがいること。西脇社長は自社の3事業を効率的にリンクさせる経営指南を受けながら、同時に、5年後・10年後を見据えた事業承継の骨組みも作ろうとしています。
「今年は次のステップとして10回タームの専門家派遣制度を活用しています。財務面でも経営面でも勉強することはまだまだあると気づかされます」。そしてまわりの経営者仲間からは「事業承継? ちょっと早すぎない?」と言われることもあるとか。
「今年で51歳ですが、私の中ではもっと早くから考えて始めてもよかったと思っているくらいです」。

いわゆる“あとつぎ”問題は、経営者が引退を考える際に初めて準備にかかるケースも多いようですが、西脇社長は50代の今だからポジティブな考え方ができるといいます。
「中小企業の場合、規定路線で後継者が決まっていることもありますよね。そうすると引き継ぐ者もプレッシャーを感じ、何より“絵に描いた餅”で後継者が決まると従業員のヤル気にも影響します。ですから事業承継はもっとフラットでいいと考えています」。会社はあくまで従業員のもの。その思いがあるからこその言葉でしょう。
「弊社では希望に応じた事業間の異動も積極的です。従業員には参加ではなく“参画”することを日々促していますから、そういう意味では会社の理念を受け継ぐ後継者候補も自ら挙手してもらってもいいのかもしれません」。
目指すのは、既成概念に捉われない斬新な事業承継。その実現に向け、会社と従業員のために“あとつぎ”のロードマップを今から作っておくことはとても大事だと西脇社長は認識しています。


雄大な景色を望む「神戸食堂はぁとす」(当センター10階)にて社長の想いを伺いました。

体に優しい健康食で、お客様に末永く愛されるお店作りを行っています。