旧来のお客様にも、新しい取引先にも、 安心感を与えられる事業承継を目指して

株式会社正栄技研(本社:神戸市長田区)

機器及びプラント計画・設計・製図 ・福祉機器設計・製造・販売・据付

株式会社正栄技研(https://shoei-giken.jp/

代表取締役 河原 守 さん

後継者 河原 守人 さん

昭和56年(1981年)の創業以来、少数精鋭の技術集団として大手企業から依頼される機械設計や機器開発をオーダーメイドで手掛ける正栄技研。
環境装置やプラントなど多岐にわたる領域で計画・設計・製図等の顧客ニーズに応え、
その一方でユニバーサルデザインを採用した自社商品の福祉機器開発にも力を入れています。
神戸・長田発の仕事にこだわってこれからも末永く地域に貢献していくために、同社は次の世代へ事業を承継する準備を始めました。


「後を任せたい」という思い、「後を継ぐ」という自覚


機械工夫の功績を称えられ、進駐軍からの感謝状を贈られた社長の父。そのエンジニアとして確かな功績を残した父を敬い、
“正しく栄える”という理念を掲げて正栄技研を創業した河原社長。兵庫工業高校の土木を卒業し、ゼネコンへの就職、
機械部門での高学歴者からの厳しい言葉を受けて、悔しい思いが、起業エネルギーに繋がり、
30代の若さで独立した自らの経験から息子の守人さんには早い時期に後を継いでほしいと願い、昨年事業承継への一歩を踏み出しました。
「70歳になり、会社も40年の節目ですので、息子にバトンを渡すいいタイミングだと思ったのです」。
後を継ぐ守人さんは、入社当初から将来は自分が経営を担う立場になると心の中で感じていたといいます。
「大学の専攻は化学でした。畑違いの父の会社に入るからこそ人一倍努力が必要という意識は常にありましたし、
だからこそ社長も企画・営業・設計等の様々な役割を課して教育してくれたのだと思います」。

家族と従業員のために、そしてお客様の信頼を得るために、休日返上を惜しまず働く父の姿を守人さんは間近に見て育ちました。
仕事内容こそわからないものの、経営者として大きなものを背負っていると幼心に感じていたそうです。父の真似は出来ないが、
苦労はよく知っているとのこと。
「父として、そして入社後は社長としてずっと背中を見てきましたが、自分はまだその域に達していないと感じることもあります。
それでも社長から『守人へのお客様の信頼は高まっている』と言ってもらえるところまで来ました。
私も経営者の自覚を持って行動する時が来たと気持ちを引き締めています」。


事業承継を進める“ベター”な選択肢が増えた

「自社開発の福祉機器が神戸UDブランドの1号認定を受けたのが平成17年です。その頃から神戸市産業振興財団さんとのお付き合いが始まりました。
いつも会社のことを気にかけてくれています」と河原社長。人一倍の努力家でご自身も前々から事業承継の勉強をされていましたが、
KOBEあとつぎサポートチームの専門家派遣支援を活用したことで“ベター”な選択肢が増えたといいます。
例えば、ご自身と守人さんの両者を代表取締役にするという中小企業診断士からの提案。旧来のお客様に安心感を与えるのはもちろん、
新たな取引先と信頼関係を築く上でもこの経営体制は有益だと感じています。

また、後継者の守人さんもこうしたサポートを心強く感じています。「一途に仕事をしてきた私にとって、専門家の方からいただく様々なアドバイスは
勉強になることばかりです。当初は漠然とした不安がありましたが、具体的な助言をいただくうちに将来のビジョンをしっかり描けるようになりました」。
現在の目標は、今年5月の決算を終え、一段落する8月に後継体制を確立すること。長期の年月を要する場合もある事業承継ですが、
正栄技研がスムーズに前進できるのは親子間の確かな意思疎通と信頼関係があるからでしょう。
そこに“100年経営”を後押しする神戸市産業振興財団の支援も一助になっています。



100年経営支援事業の利用事例 事例一覧