KOBE MEISTER

メートル・ド・テル/檜山 和司

昭和33年生 兵庫区在住

勤務先:ホテル ラ・スイート
    神戸ハーバーランド

おもてなしのプロフェッショナル。神戸マイスター初のジャンルであるメートル・ド・テル

ホテルの時間・空間をアメニティの極地として感動を顧客に届ける役割。総支配人として全体を統括の一方で、レストランのエンターテイナーとして、究極のパイナップルパフォーマンスで宴席を湧かせる。

檜山 和司さん ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドの総支配人との役職に加えてメートル・ド・テルの肩書きを付け加えねば檜山さんの値打ちが充分に伝わらない。メートル・ド・テルとはフランス料理の給仕長という意味で、レストランや晩餐会などで、宴席の進行、メニュー、料理のサービス方法の決定など全てを取り仕切る職業。その日本大会初代チャンピオンという冠を持つ彼はこのホテルの開業準備からかかわり、2008年11月の開業以来、神戸唯一のユニークな存在として注目され、神戸マイスターとしても初のジャンルの認定である。
 檜山さんは神戸生まれ神戸育ち。夢野台高校から辻学園調理・製菓専門学校に進んで調理師免許を取得。大阪のフレンチレストランで5年間修行、調理だけでなくサービスも務める。「おいしかった」ではなく「今日は楽しかった」と顧客から言葉を貰えるサービスに目覚める。その当時神戸にあった三つ星レストラン「アラン・シャペル」にアルバイトから入り、9年で伝説のマネージャーと呼ばれるまでになる。この間自費で何度もフランスに渡り、本場の料理やサービスを熱心に学ぶ姿勢が評価され、「オテル・ルテシア」(パリ)への交換留学が認められ、さらに一流の技を身に着けた。
パイナップルのフランベ トロピカルファンタジー 複数の専門的な仕事を一人でこなす才能が大きく開花したのが1996年に東京で開催されたメートル・ド・テルのコンクール。強豪を打ち破って優勝したことが、飛躍の糸口となった。翌年、大阪食の博覧会でフランス三つ星シェフをはじめ、メートル・ド・テルやソムリエたちと「夢のレストラン」を運営、これらの実績の上に1999年、全日本メートル・ド・テル連盟を立ち上げた。「周囲のサポートへのお返しに後進の指導をと奮起しました」。神戸YMCA学院専門学校や各種教育機関、プロの再教育など指導の範囲は幅広い。「大事なことはお客様に快適さと至福のひとときをもたらせるサービス精神の根本を忘れないこと」。相手をなごませる接遇に加えてここいちばんという時には自らがエンターテイナーとなって披露する「パイナップルパフォーマンス」がある。一個の皮付きパイナップルの底辺にフォークを2本刺して持ち上げ、まな板に下ろすことなく、空中で螺旋状に皮を剥き、パイナップルの目を45度の角度でスパイラルに切り除き、スライスして芯を取り除いた後、フライパンでグラニュー糖を熱してカラメル状にし、バターを加えた中で焼色を付け、ラム酒で香りを付ける。別途用意したオレンジをスパイラルに剥き、空中でブランデイーを注いでフランベし、青白い炎で演出した後、バニラアイスを添えて仕上げる極めつけのデザート。96年のコンクールで檜山さんがこの技を披露した時、フランス人の審査委員たちがスタンディングオベイションで絶賛し、優勝。檜山さんは「ミスター・パイナップル」と呼ばれるようになった。この技は各地の講習会で披露され、今ではスタンダードとなっている。他に丸焼きした若鶏のローストを空中で華麗に切り分けることも彼の得意技で、斬新な手法が業界の若手人材に大きな影響を与えている。「実技を伴ったサービスマンが究極のおもてなしの普及にひと役買ってくれると信じて自分の特技を余すことなく伝授しています」。第一線で堂々と活躍の一方、新しいサービスジャンルの後進育成にも多忙な檜山さんだ。

ページの先頭へ戻る