KOBE MEISTER

石工/岩田 明 

昭和34年生 須磨区在住

勤務先:石工のいわた

神社仏閣、墓石、灯籠、石畳・・・一般の石材業界のなかでも特に手技を守り抜く石工

神戸マイスターとして初の石工。業界の活性化を目指し、自ら技能に磨きをかけ続けるほか、物作りの喜びを訴える活動も展開。

岩田 明さん 日本における石の三大産地、香川県庵治、愛知県岡崎、茨城県真壁のなかから、岩田さんが高校を卒業して入学したのが、岡崎にある高等職業訓練校石材科だった。
「父親が石材店に勤めていたこともあり、興味があったので、自分なりに本格的に勉強したかったんです」。書店で見つけた石工に関する本を頼りに、電話で問い合わせて進路を決め、4年間を岡崎で修行し、年季が明けた後もさらに約1年間現場工事専門会社で修行した後に神戸に戻り、父の勤務先に就職、親子二代にわたる石工となった。「実際の仕事の現場で経験を積むうちに、中国製の石を加工する必要にせまられました。日本の石とは異なる性質を理解して、用途に応じた処理を行い、日本の環境の中で永年の使用に耐えられるよう細工を施します」 説明を聞けば一言だが、実際の作業は大割り、墨付け、コヤスケがけ、大はつり、むしり・・・など道具を持ち替えての何段階もの作業が待ち受けており、想像を超えた苦労のある仕事ということが理解出来る。さらに角切り、ビシャン、小タタキ仕上げなど、熟練が要求される作業が不可欠だ。時代の移り変わりで、機械化は重労働を少しなりとも軽減するという意味においてはありがたいことだが、それでも、昔ながらの「手技」がものを言う場面が多い。例えば、セットウと呼ぶ大きな金づちやノミを使って、石の表面や曲面を1ミリ単位できれいに仕上げる技術など岩田さんが大事に守り抜いている貴重な得意わざだ。「機械を取り入れる時代の波に逆らう気持ちは毛頭ありませんが、やはり、人間の手が美的感覚豊かな物を造り出す技術は誰かが守り抜いて次の世代へバトンタッチしなければいけません」 そんな岩田さんの姿を見て、次男の聡さんが父の仕事を助けることを決意した。
参道の写真  平成22年、岩田さんは独立して「石工のいわた」を開業し、次男と共に業務に励んで今日に至っている。業界の活性化のためにも、技術に磨きをかける活動をやめるわけにはいかないと、今なお技能グランプリ全国大会に出場を目指し、訓練を重ねる岩田さん。父に負けじと聡さんは技能五輪全国大会に挑戦、親子の二人三脚で職人だましいをいかんなく発揮する。「子どもたちにものづくりのおもしろさを訴える機会を積極的にもうけては、仕事は苦しいけれど、苦労を乗り切れば大きな喜びが味わえて、楽しいことがいっぱいある、と体験談を語らせてもらっています」と眼鏡の奥の目を細める岩田さんだ。

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