KOBE MEISTER

西洋料理/松村 智明

昭和38年生 垂水区在住

勤務先:シーサイドホテル舞子ビラ神戸

地産地消にこだわった食材の吟味で、人を幸せにするフレンチを生み出す。

ホテル大宴会において出来たての温かい料理を一斉に提供するための独自のシステム化を構築。工業系で勉強した才能を発揮。

松村 智明さん ホテルオークラ神戸では、ソースシェフをつとめた。フランス料理はソースが決め手と言われるなかで、食材の活かし方をじっくりと修得。世界一の吊り橋のパノラマを売りものとする「シーサイドホテル舞子ビラ神戸」の総料理長となってからは、神戸市西区、北区の田園地帯に近いという立地条件を活かして、「地産地消」にこだわるようになった。食と農の深いかかわりを自ら体得するために、西区押部谷の水田でホテルスタッフに呼びかけて田植えや稲刈りを実施するほどの熱の入れよう。「良いものを作る苦労と収穫の喜びを実感して自信を持って安心安全の料理を送り出せるようになりました」と語る松村智明さん。
 須磨海苔、ちりめん、イカナゴなど食卓の縁の下の力持ち的食材にも心を注いで、積極的に食材発掘に奔走する一方で、ホテル大宴会場でのコース料理の対応として、松村さん独自の「料理提供システム化」を構築した。この基本は「出来たてで風味のよい、温かい料理の提供」で、例えば、「牛ヒレ肉のグリル」を提供する際、真空加熱処理した牛肉を冷却することから始める。次ぎに、風味付けにグリルして格子状に焼き、松村さんがこだわる味に整えて冷却。続いて、肉を皿に盛り付け、ラックカートに収納、保護ラップをして冷蔵庫へ。料理提供時間までしっかりと冷却する。料理提供時刻が来ると、カートを冷蔵庫から出して、大型スチームコンベクションオーブン調理機にカートごと挿入、自ら編み出したデータにもとづいて、温度帯・湿度・空調コントロールにより、再加熱処理する。このシステムによって、200人や300人が一堂に会してのパーティーにおいても、出来たて風味の温かい料理、フランス料理の写真そして冷めにくい料理の提供が可能となる。「パーティーのもう一つの主役が料理ということを前提に、その環境づくりを考え、クォリティの管理を確立しました」と苦労のほどを語る。
 宴会を華やかにいろどるディスプレーの氷細工や蝋細工も必要技術として修得するなど、プロ意識に徹する。多方面において研究熱心な気質は兵庫県立兵庫工業高校電気科卒業という経歴を知れば、納得。飲食店でアルバイトした時、職人気質でこだわりやプライドを持って仕事に励む白いコック服姿に憧れを感じて、調理師専門学校に進学して新しい道を切り開いたことが今日の自分につながった。プロ中のプロとして公の受賞暦を複数有する身が、土を使った「明石鯛の神戸焼き」や、低カロリー低塩のフレンチを管理栄養士とのコラボレーションで実現するなど、なお、新しい料理の研究に挑戦を続ける。「先輩たちから細やかに教わったことの一部始終を今、後輩たち相手に口にする自分に苦笑しています」。その笑顔で作る料理が人を幸せにする。

ページの先頭へ戻る