KOBE MEISTER

西洋料理 / 小久江 次郎

昭和22年生 明石市在住

勤務先:ラ ジュネス代官山

世界最高レベルのレストランの味を守る一方、専門家養成の講師としても業界に貢献。

本場フレンチの普及に貢献。健康レシピにも意欲

小久江 次郎さん 世界最高の料理人と言われるアラン・シャペルを名乗るレストランが神戸ポートピアホテルの最上階にある。フランスの本店以外でその名を付けたレストランは唯一と言われるそこでエグゼクティブシェフをつとめる小久江さん。料理はもとより、サービス、雰囲気に至るまであらゆる要素を本場さながらに30年近く守り抜いて来た功労者が彼である。「生涯かけて打ち込み続けてもなお、道のりの奥深さを感じるフレンチの素晴らしさに魅せられているのは、調理する当の本人かもしれません。それほど極め甲斐のあるものです」。口調はやさしいが、胸のうちは意欲が炎のように燃えている。
 静岡県の生まれで、父が色々なところへ連れて行ってくれたことが、食に関心を持つようになったきっかけという。東京のレストラン「バラライカ」に4年間勤務した後、大阪万博の時に神戸に移り住み、「アルゼンチン館」のレストランまで通った。翌くる1971年、渡仏して、フランス料理を学ぶ。「日本でフレンチが普及し始めた時代でしたが、本場だけに、食材の豊富さにびっくりしました」。2年半の修行を積んで帰国して、関西におけるフレンチのしにせ、リーガロイヤルホテル「シャンボール」に7年間勤務した。そのころ、神戸ポートピアホテルが建設され、世界最高の料理人と話題の「アラン・シャペル」を名乗るレストランが企画され、調理責任者に抜擢されたのである。「三つ星レストランで仕事してみたいとの夢を叶えるためにも、入店しました」。オープン準備として2カ月間、リヨンの本店でアラン氏じきじきに研修を受けた。「それまでにも本場で勉強はしていましたが、さすがに、アラン・シャペルの指導は厳しかったです。料理に付随するすべてにおいて最高の満足を提供しなければと譲らないのです」。フランスの本店のプライドを汚さないためにも、小久江さんは1981年のオープン以来、ひと筋に伝統と味を守り抜いてきた。「初期のころは各地から料理人が勉強のために食べに訪れたほどでしたが、本格フレンチが日本に行き渡るのに、お役に立てたことは嬉しい」と、フランス仕込みのウイットに富んだ話しぶりもさすが。
フランス料理の写真 国の文化や風土に触れることも大事で、料理人は五感や感性を磨くべきだと、自ら幅広い知識の吸収につとめ、そんな中から健康によいオリジナルレシピも考案した。「肉を食べない日がほとんどないというフランスの料理を手がけていますが、いかに健康的に食べていただくか智恵を絞っています。また、フランス料理特有のソースにしても、バター、生クリームなどの油脂を控え、オリーブオイルやグレープオイルをうまく活かして変化を持たせるなどの工夫もしています」。カロリー、蛋白、塩分などの計算をした食を通した疾患の予防、健康維持増進のためのメニューまで実現させた。ホテル内4つのレストランの指導のほか、調理専門学校の特別講師としても若手を育成するなど、自ら培った技術を惜しみなく後進に伝授している。

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