KOBE MEISTER

バーテンダー / 堀尾 眞造

昭和15年生 垂水区在住

 

ウルトラ級の虹色のカクテルから、フルーツ盛り合わせまで、得意技が光る。全国レベルのコンテスト上位入賞の選手育成の功績も。

虹色のカクテルにシェーキングした人生の夢

堀尾眞造さん サービス業そのものが人生のシェーキングだと堀尾さんは語る。「人との出会いほど魅力的なものはないですよ」。その出会いと絆を深める小粋なツールがカクテルだという。また、お客の人生の悩みや喜びを共有する場としてスナックバーを経営しているとも。「その大切なドリンクの主役ともいうべきものがカクテルです。単においしいというだけではダメで、心と心を結びつける重要な役割を演じきれるだけの意義のある作品を形にしないと。そういうことを肝に銘じてカクテルを作るんですよ」。
 あらゆる客層とその背景のライフスタイルに対応するためには、100種類以上を注文されても即座に作れる知識と能力を兼ね備えておく必要がある。そして、お客自身にもカクテルのことを勉強してもらおうとレシピをカードにして、気軽に手にとって理解してもらうための工夫もしている。既に世に知れ渡っているカクテルにとどまらず、堀尾さんは創作カクテルも得意で、"マダムキラー"と題する作品でコンテスト2位を獲得した実績も持つ。
 こんな腕前に人生経験の豊かさをブレンドして堀尾さんはフアァンを魅了する。とりわけ、お酒の比重差を利用した七色のカクテル「レインボー」はまさに堀尾さんならではの自信の昨。また、バーテンダーの技能として必要な「フルーツの盛り合わせ」は得意技で、カッティング、色彩、盛付、立体感いずれ共に申し分のない仕上がりを見せる。「会話に始まり、カクテルから歌に至るまで、エンターテイナーとしての役割はまさに色々な要素がシェーキングされて成り立つものです。こんなにおもしろい仕事はないと思っています」と言い切る堀尾さんである。だが、もともとこの業界入りを考えていなかったというから人生はおもしろい。
 堀尾さんは加西市の生まれで、写真家を志して、日本写真技術学院を卒業後、北条駅前で写真店を開業した。修行に出るために店を義兄に譲り、照明の仕事を実地にこなす途中で、飲食業界とのパイプが生まれて、昭和50年ごろ、スナックバーを経営することとなった。当時、夜の人気テレビ番組のタイトルに使用されたロゴマークが「スターライト」で、今日まで店の象徴となっている。
カクテルの写真 寸暇をさいて後進の指導にも力を注ぎ、全国レベルのコンテストに上位入賞の選手を多数育成してきた。日本バーテンダー協会の技能講習会、技能研究会などで講師として活動のほか、個人的にも昭和60年より12名の弟子を育て、有名ホテルバーなどで活躍の人もいる。技能コンテストの審査委員を務めたこともある。「すべては業界の社会的評価向上のため」と、歯切れがよい。平成10年に神戸市技能功労賞を受賞したほか、同17年には日本バーテンダー協会特別功労賞を受賞するなど、献身的な活動ぶりが報われているが、当の本人は「まだまだ現役で、好きなカクテルを作り続けて、人を喜ばせたい」と、目を輝かせる。ウルトラ技の虹色のカクテルに自分自身の夢もシェーキングして意気軒昂の堀尾さんだ。

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