KOBE MEISTER

パン製造 / 山西 恒巳

昭和23年生 西区在住

 

昭和42年に神戸市立神港高校を卒業して増田製粉所に入社したが、紹介者がパンの研究者だったため、当然、同じ道を歩むこととなったのがパンのオーソリティーとなるきっかけ。

米粉パンから“魔法のパン”まで。創意工夫のこだわりパン職人

山西恒巳さん 研究者であると共に技術者としても腕を磨き、労働省認定の技能1級の資格を37歳で取得した。パンづくりは、きわめて早朝からの作業が常識だが、明けても暮れてもパンと取り組む毎日の連続で、「パンづくりの原理・原則、原材料の持つ特性と作用から、使いこなす機械の知識から工程管理のすべてに渡っての勉強をしました」。その結果、平成4年には特級技能士の資格を修得したが、この習得者は当時全国でも数名しかいないといわれたほどのもので、山西さんの技術の卓越ぶりが伺い知れるところである。 これまでの実績で注目すべきは、昭和40年代より機械化が進んで、冷凍冷蔵設備が普及したことにより、菓子メーカーと共同研究を重ねて「冷蔵発酵法」を開発したこと。 「0度から2度までの低温で、イーストの発酵を止めて、酵素によって熟成を進めるという方法です」それによって、香り、舌ざわりともによくなり、うまみが増すという。 この「冷蔵発酵法」を指導したパンメーカーが、中身を中心に食べるパン「パンド・ミー」を発売、評判を呼んでいるさまを実感すると、改めてこの道に進んでよかったと実感するという。 数多いパン製造技術者のなかでも、山西さんの際だっての特色は創造性が豊かなこと。 常に新商品の誕生につながる技術改革を念頭に精進を続けてきた。「世界で食べられているパンの伝統をふまえながら、時代と状況に応じた新製品を生み出すことが、食の喜びを増して、社会の役に立つことだと思ってがんばっています。」 日本の近年の状況を考えて米の有効活用を促すべく、平成15年には米粉を使用したパンの開発を行い、実地に技術指導も始めた。その功績によって、 パンの写真篠山市が全国に先駆けて米粉コッペパンを学校給食に採用、話題を集めた。「米粉を原料にしたパンはもちもち感があってけっこうおいしいですよ。食べておいしく、米の消費を進めるという一石二鳥の効果をねらってのものです」。アイデアの斬新さはもちろん、技術の確かさに指導力もモノをいい、まさに山西さんならではの実力発揮のしどころだ。 南海、京阪沿線のコンビニストアで販売の食パンに「こだわり職人のパン」として山西さんの似顔絵がラッピングに印刷され、ブランドとなっているわけもなっとく。こだわりの腕を見込んで生活習慣病の権威ドクターが、糖尿病や肥満に効果のある小麦ふすまを原料にしたパンの開発を山西さんに依頼している。やがて、おいしく食べるうちに糖尿病管理にもつながるという“魔法のパン”が世に出る日も近い。

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