KOBE MEISTER

金属材料試験 / 澤田 明

昭和23年生 長田区在住

 

飛行機の機体、大型プラントなどの金属部分の検査について、精密な試験データを作成する。試験結果については海外から広く信頼されており、日本の工業技術の高品質の維持に貢献している。

命ある金属との対話

澤田明さんの写真  飛行機、船舶、橋、大型プラントなどの金属部品を検査する仕事である。JR土山駅の南方、播磨町新島に工場がある。見かけは確かに工場であるが、ユニークなのは、ここでは決してものを作らないということ。「メーカーが色々な製品を手がける時、第三者の検査データが必要な場合があります。それを担当するのが役目です」
 今から33年前、神戸市兵庫区のわずか四畳半ほどのスペースで始めた仕事。知人に請われて、澤田さんが大企業を辞めて検査をするようになった。「何もかも手さぐりでした。そのうちに作業手順書を作成し、検査方法を確立して行きました」年と共に仲間が増え、会社も大きくなった。
 整理のいき届いた中で試験片を作る社員。色々な機械を用いて金属を検査する社員。彼らを指揮指導する責任者が澤田さんだ。「金属の検査は引っぱる、叩く、曲げる、押すなどの力を加えて調べます。室温からマイナス196度迄の過酷な条件下での検査もあれば、熱を加えて、長い期間の変化を見る検査もあります」 想像以上に多種多様な検査を行っているが、一般に知られたものでは種子島の宇宙ロケット、大型船舶のエンジン、スクリュー軸などの金属部品検査がある。金属溶接部分の強度調査古くは万博のモノレールの強度検査、新しくは太平洋を横断したヨット「マーメード」号の船体の検査も実績として記録されている。現在進行中のものでは黒海の石油パイプラインの品質検査がある。「どれも縁の下の力持ちですが、自分たちが検査したものが社会の役に立つのだという誇りがやり甲斐につながります」
 品質検査という性質上、精密な試験データを作成するが、その試験結果が海外からも広く信頼されており、日本の工業技術の高品質の維持に貢献している。自分が切り開いた道を歩む後進のために澤田さんは一級金属材料試験技能士の育成にも余念がない。「金属にも命があります。その対話が楽しいです」

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