KOBE MEISTER

日本料理/大田 忠道

昭和20年生 北区在住

勤務先:四季の彩 旅篭

節会料理など、古来の日本料理を手がけながらも、他方で中華料理や西洋料理など、様々なジャンルから技法を取り入れ、独創的な料理を手がけている。

人と人との絆を深める料理

大田忠道さん 食は民族を語る知性と文化の集大成-と大田さんは言う。四季のある日本古来の食文化を地で行く和食ひとすじに39年。そのうち20年が有馬温泉の名門「中の坊瑞苑」の料理長。西宮生まれで、兄が調理の仕事に就いていたことから、アルバイトで手伝い始めたのが業界入りのきっかけ。高校を卒業して、上京を志したが、大阪今里の料亭で修行を積むこととなった。「包丁と箸だけで季節の素材を料理することのおもしろさに魅せられました」と当時を振り返る。そのうちに、「有馬グランドホテル」が、旅館のもてなしの粋を極める「瑞苑」を誕生させるのを機に、料理長に抜てきされた。一流の宿に非日常的な安らぎを求めて訪れるお客を満足させる <五感を研ぎ澄ます食の芸術>を完成させた。
 「食味には<五味>という要素があり、これらを食材を借りてどう活かすかが腕の見せどころですね」と、秘訣をもらす。「つまり、甘さ、辛さ、酸っぱさ、苦さ、これに塩味をきかして、さじ加減、火加減で和食の極致をとことん追求していくんです」 その探求心が、オリジナルの節会(せちえ)料理を世に送り出した。「旬の食材にこだわり、その食し方の演出に心をくだく創作献立ともいうべき料理です」
 和食に始まって和食に還るという、根っからの和の料理が、時によって中華料理や西洋料理などさまざまなジャンルからの技法を取り入れ、独創的な料理の幅を広げる。「料理は生きものですから、やはりその時代にマッチした手法が工夫されてしかるべきです」
日本料理の写真 時の流れと向き合って信念を貫き大田さんを師と仰ぐ弟子がひきも切らず、今では500名近くが全国で活躍しているという。調理師専門学校等での指導などにも余念がないが、家庭料理にしろ、味付はもちろん、器のちょっとした工夫など、相手を思いやる心を忘れないでと大田さんは訴える。料理は人と人との絆を深める何よりもの手段だからだ。

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