KOBE MEISTER

和菓子 / 井上 正藏

昭和14年生 西区在住

勤務先:(株)本高砂屋

手造りの味を残した和菓子の機械化に取り組み、手造りの工芸菓子の製作における花鳥風月の表現に優れる。

機械に遊び心を加えて…

井上正蔵さん 秋田県の出身。東京で和菓子の修業をしている時、「神戸で技術を身につけてみてはということになってやって来たら、なぜかそのまま居着いてしまいました。」と苦笑する。
 しかし、神戸で和菓子の技術を磨いたことが、井上さんならではの個性を確立する結果につながった。「和菓子の中にも洋風の趣きを匂わせて、時代に通用する商品を世に送り出したかったんです。」事実、井上さんは勤務先の本高砂屋で洋菓子の雰囲気を持ったゼリー状の和菓子 “果心庵”を考案して、代表商品の一つとして評価されるというめざましい働きをした。
 その一方で、「和菓子の命は“あずきの餡”にこだわり続けることです」と奇をてらうことなく言い切る。良質のあずきを厳選することは言うまでもなく、その甘さかげんが重要なポイントとなる。「甘いものを食べると太ると言われますが、あずき自体が植物繊維でヘルシーな食べものとして見直されています。適度な甘さを、餡を包む皮との抱き合わせで、おいしく味わってもらうよう工夫するんです。」
 いまや和菓子も機械生産される時代だが、和菓子の写真微妙な味わいの機械化へのたゆまぬ努力とともに、最後の仕上げには手作業も加えるゆとりを持たせている。「機械を使いこなした上で、人間としての遊び心をプラスするのがコツです。」
 趣味は盆栽。その心が菓子作りにも反映されるばかりか、手先の器用さを保つうえにも役だっている。工芸菓子で花鳥風月を表現させれば天下一品という技術も日ごろの修練のなせるわざ。和菓子作りは、井上さんにとって人生そのものとも言える。

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