KOBE MEISTER

金属塗装 / 中島 康毅

昭和11年生 中央区在住

勤務先:(有)中島自動車 塗装工業所

自動車の補修塗装の技術に優れる。
特に歪み抜き、調色・メタリックカラー吹付塗装において高度な技を発揮。

自分の存在を隠してこそ光る

中島康毅さんの写真  事故などで損傷したボディーが修復されて塗料を吹き付ける時、微妙な凹凸をなくして下地を真っ平にする”歪み抜き”が、意外に知られていないプロのテクニックである。自ら製作した檜のへらを自在に操って、パテを可能な限り薄く施した上で研磨し、修復箇所との境目を全く失くした状態にして塗装する。
 調色、つまり色合わせにも経験とカンが要求される。各種の塗料を混ぜ合わせて元の色に近づけていくが、「試し塗りしたものを、横から見たり縦から見たり斜めにすかしたり、光線の具合によって変化する色をより元の色に近づけるのに、あれこれ工夫するんです。」複雑な色だと、調色だけに丸1日かかることもあるという。とりわけ、雲母やアルミ粉などが混じっているメタリックカラーは、固まりのムラが生じやすいので均一に塗り上げるのに神経を使うという。
 新車だと150度の高温で焼き付けることも可能だが、修理の車は内装済みなので、後進の技術指導に熱がこもる高温で焼きつけるとビニール配線などが燃え出す恐れもあり、70度~90度で焼き付けるのがやっとで、制約された条件の中で作業を進めなければならないという苦労もある。大正11年創業の二代目。「昔は車にうるしを塗った時代もありましたが、今は次々と新しい材料を使った塗料が出てくるので勉強を怠れません。」修理したことがわからぬのが一番。自分の存在を隠してこそ光る-そこにこの人の価値がある。

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