KOBE MEISTER

表具/青山 龍三

昭和10年生 中央区在住

勤務先:(株)青山銀生堂

びょうぶ・掛け軸・大額などの表具製作及び壁装作業全般に優れ、社寺等の表具製作のほか、風見鶏の館など異人館の壁紙を修復。

美的感覚に技術を裏打ちして

青山龍三さん 高校を卒業して信用金庫に勤めたが、父が亡くなったのを契機に家業を継ぐこととなった。「”門前の小僧習わぬ経を読む”のことわざと同じで、子供のころから父の仕事をよく見てましたし、ものごころついてからは事あるごとに手伝ってましたので、いきなりでも何んとかやれました。」22歳だった。それからは自分の力で技術に磨きをかけ、独自の道を切り開いた。
 屏風にしろ、掛軸にしろ、表具製作はカンが頼り。例えば糊の使い方一つをとってみても、ものによって濃さを変えるのはもちろん、紙の貼り方にも微妙なさじかげんが要求される。「温度や湿度など自然条件も計算に入れたうえで作っていかねば、あとで狂いを生じたりします。」
 額といわず壁装といわずレパートリー広く仕事をこなす実力が買われて、風見鶏の館や萌黄の館など異人館の壁紙の修復も手がけた。「百年を経た建物でしょ、そろりそろりと作業しましたよ。修復した絵画の写真壁に亀裂が生じていたりして大変でしたが、異人館が誕生したころの壁がよみがえった時の感動は忘れられませんね。」また、生田神社会館の大額の製作も手がけた。
 祖父の時代からの仕事で三代目になる。一般の家屋に和室が減少しふすま貼りなどの需要が減る中で、”表装” という仕事がなじみ薄いものとなる一方・・・。それだけに、残された仕事はますます芸術性高いものが増え、熟達した腕が要求される。文字通り、美的感覚に確かな技術がしっかり裏打ちされなければ通用しない世界だ。

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