KOBE MEISTER

ケミカルシューズ / 安井 節子

昭和15年生 須磨区在住

 

特殊ミシンを使用せず、平ミシンで通常困難といわれる部分の縫製をこなす。
また、多数の縫製工を指導し、業界に送り出している。

自由自在な縫製で靴に生命を

安井節子さんの写真  両親が洋服の仕立をしていて、いつもミシンが家にあった。「手先が器用なのは両親ゆずりなんです。」昭和30年に学校を出て、ケミカルシューズ縫製の技術を身につけた。「時代と共にミシンも色々作られましてね、今ではコンピューターの糸切りミシン、ポストミシンなど特殊なミシンの出現で、作業がずいぶん効率的になりました。」そんななかで、安井さんが愛用するのは、オーソドックスな平ミシン。とりわけ、通常は特殊ミシンを使用する玉ぶち、底付け、袴付けなどの作業を、平ミシンを自由にあやつって、文字通り自分の手による微妙な感覚で思い通りに仕上げていく。
 その技術の確かさが組合主催の講座の講師につながった。「15歳の若い女性から50代の主婦まで幅広い生徒さんがいますが、彼女たちが成長していく姿を見るのが何より嬉しい」と、眼鏡の奥の目を細める。
 「いい靴は目に見えないところに手間ひまかけています。安井さんの作品の写真縫製がしっかりできていて初めていい靴になります。」地元の長田区の出身で、全国の70%ものシェアを誇るケミカルシューズの街で大きくなった。「京の着だおれ、大阪の食いだおれ、神戸の履きだおれ・・・・・・ファッション都市・神戸の一部を私達が支えているんだという喜びをかみしめながらミシンを踏みなさいって言うんですよ。」技術に加えて、さりげなく人生の姿勢まで示すその地に足のついた指導ぶりに定評がある。

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