KOBE MEISTER

紳士服 / 横山 忠世

昭和9年生 灘区在住

勤務先:横山洋服店

昭和58年度技能グランプリ全国一位。体にフィットしたシルエットの美しい紳士服を製造する実力に定評。

いい洋服は彫刻の如く芸術の香り

横山忠世さんの写真  加古川市の生れ。野球が流行ったが物の乏しい時代、グローブを布で作ったら「器用な子供や」とほめられた。神戸から疎開で来ていた伯父の横山藤太郎さんに認められて、15歳の時、彼の経営する神戸市灘区の洋服店に住み込んだ。
 「戦後とはいえ、徒弟制度の名残もあって、掃除、風呂たき・・・色々苦労しながらの修業時代でしたよ。」嫁まで伯父の勧めに従った。ふたいとこに当る恵美子さん。その新婚生活は、はなやかなものではなかった。朝8時に家を出、深夜2時に帰宅するという生活が何年も続いた。その結果、横山さんならではの優れた技術が身に付いた。全国レベルのショーで注目を集めた時の写真その秘密は、背巾、脇巾を広くすることに加えて“クセ取り” (体型にフィットさせるアイロン処理)と、裁縫のテクニックで、それぞれの体にうまくフィットさせることにあるという。
 「いい洋服の要素は妙味、風合、迫力の三つでしょう。これらが三位一体となって彫刻のように芸術の香りがただようのです。」
 全日本グランプリの優勝者という輝かしい実績の持主が、その審査員として東京の桧舞台で活躍。「気合いを入れて仕上げた服はハンガーにかけただけで存在感があります。」人生経験をそのまま作品に投映し、昔も今も変わらぬ熱い意欲を燃やし続ける横山さんだ。

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